書評:青い鳥/重松清

| | コメント(0)

 2007年7月に出版された重松清の新刊です。吃音をもつ国語の臨時教師、村内先生が主人公の
八篇の短編が収められた連作小説です。

 うまくしゃべることがができない村内先生は色々な学校に臨時教師として赴任します。
赴任先の学校は、いじめやクラスメートの自殺未遂、学級崩壊等が起きており、なんらかの形で
「いびつな普通」を抱えております。そして、「みんな」が馴染めている『普通』に馴染めない生徒が
存在し、「ひとりぼっち」だと感じております。

 そんな学生に村内先生は寄り添います。一方、寄り添われた生徒の方ははじめは迷惑に
感じますが、村内先生が『普通』ではないことを知り、村内先生に、その言葉に心を開いていきます。
 
 村内先生は、うまく話すことができないから、そばにいてひとりぼっちにならないようにします。
また、村内先生はうまく話すことができないから、大切なことしかいいません。 

 そんな村内先生だから、決して「みんな」からは必ずしも評価されません。ただ、孤独を感じていた
生徒の心を変えていき、『ひとりぼっち』から解放します。そして、村内先生は言います。「よかった、
間に合って」と。

 そうやって、村内先生は、『普通であるコト』よりも大切な『大切なコト』を教えてくれるわけです。

 最近、世の中がより善悪二元論的になってきていると感じている中だからこそ、単純な善悪では
なく、本当大切なものは何なのかを伝えてくれているすばらしい一冊です。

 中学校を舞台にしているため、(受験対策もあり)子供に読ませたい一冊になりそうな本ですが、
大人こそ、自分が大切なことを伝えられているか、もう一度考えるためにも読んでみたら、いかが
でしょうか?間違いなく、オススメの一冊です。


青い鳥

Amazonで購入
livedoor BOOKS
書評/国内純文学

コメントする

ADs by Google

2009年3月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31