書評:ボクがライブドアの社長になった理由/平松庚三

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 ライブドアの社長、平松さんの著書。

  ライブドア事件の後を託された平松さんについては、正直、「弥生の社長だったんだ」
「仲人がナベツネさんって!」「ハーレーが趣味なんだ」位しか思っていませんでした。

 ただ、その印象は本書を読んでガラッと変わりました。

 内容は、ライブドア事件の際、堀江さんから「自分が何かあった場合、社長をやっていただきたい」
と言われたエピソードから始まります。

 そして、過去の経験に話は移り、再び現在の状況へ戻り、そして将来やりたいことについての
内容にうつっていきます。

 そこで知るのは、主に3点です。平松さんが日本では珍しい「プロフェッショナルの経営者」であり、
過去多くの外資系企業で経営経験をもっていること、多くの方々に愛されてきた人格者であること、
そして、愛される根底として、素直に物事に感動する力を持っていることの3点です。

 特に印象に残ったのは、一点目の欧米的なプロフェッショナル経営者としての経験です。
アメリカン・エキスプレス、IDGジャパン、AOL、インテュイットといった様々な外資系企業の
日本法人で活躍してきた話が印象的です。とりわけ、AOLからインテュイットに
移籍する際のエピソードが非常に面白いです。ファイナンス担当のMBAホルダーとソリが合わず
喧嘩別れのような形でAOLを離れるや否や、以前から誘いをかけてきた辣腕ヘッドハンターから
連絡があり、スパイのような移動を経て、すぐさまインテュイットの日本法人社長となった
エピソードは、非常にエキサイティングなものです。

 また、人柄に関する部分も、「こんなオッサンになりたい!」と思えるほど、魅力的なエピソードに
満ちています。ジョン=レノンに関するエピソードに見られるロマンティシズムや本田宗一郎さんの
後援のビデオを見て泣いたエピソード、MLBのプレーオフで投げる野茂の姿と自らの姿を
重ね合わせ、試合観戦中に涙ぐむエピソード等、「感激屋さん」なエピソードが数多く存在
しています。

 その一方、公私混同を行わないための姿勢、ツライ状況ほどトップが明るくすべきという
リ-ダーシップ等、ビジネスマンとして見習わなければいけない内容にもきちんと言及されており、
95億でMBOした「弥生」が200億で買収され、そして710億で売却できる程に成長したのも
やはり平松さんの力があったのだと、強く感じます。

 と、平松さんを持ち上げる一方で、ライブドア事件の際に、社長業を平松さんに託した側の
堀江さんもやっぱりすごいと思ってしまうのは、ひいき目過ぎるのでしょうか?
(ちなみに、ライブドアの買収には「平松さんが二年間辞めないこと」が条件にはいっていた
ようです、この点もライブドアが平松さんの存在に価値を見出していたことを説明しているでしょう)

 今後の日本のビジネスマンの目指す一つのロールモデルの勉強としても、単純な読み物としても
楽しめるオススメの一冊です。

 

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