書評:私たちはどうつながっているのか ネットワークの科学を応用する/増田直紀

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 この2,3年にSNSが一般になって以来、「ネットワーク理論」が盛んになってきていると感じたので、
少し勉強しようと購入しました、元々がネットワーク屋さんなので、どうしてもネットワークときくと
仕事を連想してしまい、一瞬敬遠してしまっていたのですが。

 さて、本書の内容は「スモールワールド・ネットワーク」や「スケールフリー・ネットワーク」といった
近年のネットワーク理論について説明を加えつつ、それらのネットワークがどのように成り立って
いるかということについて、実生活上の具体例を交えて説明しております。

 まず、前半の第四章までは「スモールワールド・ネットワーク」についての説明です。
6次の隔たりとクラスターを併せ持つというワッツとストロガッツの定義をもとに、この2つの特徴を
どのように生かせば、世の中で役に立つ可能性が高いかということを書いております。

 一方、第五章、六章では、ノードによるリンク数の差が大きいという特徴を持つネットワークを
「スケールフリー・ネットワーク」(*)として、いくつかのモデルを含め紹介しております。その上で、
モデルの肝となるハブとしての存在方法を「能力、先住、運」の3つと分析していたり、創造的な
チーム作業と創造的なチーム編成の関係性などをまとめております。

* 「パレートの法則的」なリンク数の構造を持つネットワークとも言い換えられます)
 
 そして、後半の七章では、いずれの理論にもいえるネットワークの中心についての概念をまとめた
上で、八章では実際にネットワークモデルを「体験」できる場所を紹介したりしております。
(これを見ると、初台のオペラシティにあるICCにいきたくなります)

 また、各章の最後にはその章で述べられていたことがまとまっているので、頭の整理に
役立ちます。(よく、何を言いたかったかわからなくなる本がある中で、こういう仕掛けは助かります)

 で、個人的な雑感としては「スケールフリー・ネットワーク」の構成方法が気になりました。

 それは、人や情報を探してくるモデルが「スモールワールド・ネットワーク」であるのに対して、
「スケールフリー・ネットワーク」は情報を伝達させるモデルだからです。

 まだまだ研究途上である分野かもしれませんが、インターネット上のバズは間違いなく、
「スケールフリー・ネットワーク」の構成を見抜いた上で、いかにこの構造のハブとなる部分と
なれるか、ハブに対して少ない次数でたどりつけるかになるというなると思っております。
なので、伝えたい情報ごとに、どうやってハブを見つけるか、ハブにアピールするかを分析
するためのネットワークの分析は大事になるでしょう。

 「結局は人だよ」という結論に陥る可能性は否定できないのですが・・・少し考える価値は
ありそうな気がしています。

 というわけで、ネットワーク理論に関係しそうな本をもう少し、読んで考えてみることとします。

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